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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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村山知義『戯曲 夜明け前』


『戯曲 夜明け前』
原作:島崎藤村
角川文庫
平成19年2月7日読了
むしろ藤村の原作よりも面白かった。判り易いのは舞台の脚本であるからかもしれないが、しかし受け取る側としてはむしろコチラに軍配をあげたい。登場人物も整理されているし。
ただしそうかと言って原作を読まないでコチラだけで充分かと言うとそうではなく、両方を読んで初めて充分に思える気がします。僕としては…の話ですが。コチラだけでは不充分かも知れません。
そう考えると原作はかなり広く読まれていたんでしょうかね?少なくともこの劇団の観客程度には。
【関連作品】
『夜明け前』島崎藤村
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森荘已池『私残記 大村治五平に拠るエトロフ島事件』


『私残記 大村治五平に拠るエトロフ島事件』
中公文庫
平成19年6月1日読了
なんと言うか「悔し涙で墨を磨って書いた」という感じの一冊。以前に読みふけった司馬遼太郎『菜の花の沖』やW.M.ゴロヴニン『日本幽囚記』などの事件の契機となった、ロシア人によるエトロフ襲撃事件でロシアの捕虜となった南部藩砲術師大村治五平の手記なのですが、イヤハヤナントモ…。
史料価値は認めますが、「解説」(むしろコチラが大部分を占めている)も合わせて南部藩や治五平の一方的な言い分であると割り引いて読む必要が有るのでは無いでしょうか?
【関連作品】
『菜の花の沖』司馬遼太郎
『日本幽囚記』W.M.ゴロヴニン

サマセット・モームWilliamSomersetMaugham『人間の絆』Of Human Bondage


『人間の絆』全4冊 Of Human Bondage
訳:中野好夫
新潮文庫
平成21年3月26日読了
本書を初めて読んだのは、まだ自分の可能性について妄想逞しかった大学時代でした。
前半はまるで自分のように薄気味悪く読み(共感と言うのではなく)、更にやることなすこと失敗する後半では自分の将来を暗示されているようでした。更に主人公が最後に達する人生観に脱力し、毒気を抜かれてしまったものでした。
まぁナニかに熱中し没頭するタイプではない、それゆえに大成は覚束ない人間だ…と僕自身のことを悟らせてくれたとも言えますが。
さて今回、執筆時の作者と同年代になって読み返してみた訳ですが、更に自分に似ているのが恐ろしい。無意識のうちに似たような性質になってしまったのか、主人公のグダグダぶりには鏡を見るようでゾッとしました。
最後の最後は僕とは少々異なりますが、さて書かれていない残りの人生を僕(と彼)はどう生きていくのか?本書を読み終えて、初めて自分の足で歩き出すように思われました。
【追記】
ちなみにネットで他のヒトの感想を散見したのですが、純粋に小説として読み低い評価をつけているモノが多々有りました。
ダラダラ長くて読み辛い云々がその主たる理由であり、確かにグダグダで山場もナニも有りません。
ただ本書は『坊ちゃん』や『舞姫』と同じ系統で、作者が自分の精神をスッキリさせる為に書いたのだと思って読むと違った面白さが有るのだとは、言わせて頂きたい。
【関連作品】
『お菓子と麦酒』
本書と同様に作者の少年時代を投影した人物が登場する作品です。同じ舞台も出てきますし。
自分の作品の為に他人を好き勝手に素材にする文筆家を皮肉る描写がドチラにも有るのですが、そういうモーム自身『月と六ペンス』でやっちゃってた気が…?

サマセット・モームWilliamSomersetMaugham『お菓子と麦酒』Cakes and Ale


『お菓子と麦酒』Cakes and Ale
訳:厨川圭子
角川文庫
平成21年2月7日読了
今は亡き“偉大なる”小説家の“偉大なる”伝記を書かせたい未亡人とソレを書きたいスター作家が、二人の知らない“偉大なる”作家の前半生を知る「わたし」に協力を求めてきた。二人が特に懸念しているのは前妻のロウジーのコトのようで…ってなお話です。
珍しく内容紹介なんかしてみました。
訳者後書によると脂の乗り切った時期にのびのびと書かれた作品とのコトですが、僕としてはちょいと書き飛ばしかな?と。
面白い皮肉は随所に見られますし、発表当時は更に登場人物のモデルは誰かと話題になったそうですが、所詮その程度ではないかしらん。読み辛いんですよね、構成に気が利いていないので。
確かにロウジーの人物造形は見事で印象に残るヒロインではありますが、ならばもっと彼女を中心にしてくれても良かったのではないかと思わなくもありません。まぁ今更言っても始まりませんが。
【関連作品】
『人間の絆』

三宅泰雄『空気の発見』


『空気の発見』
角川文庫
平成23年11月11日読了
完全文系の僕ですがルネサンス的万能に対する憧れ(の残滓)で、たまにこの手の本が読みたくなります。
本書もそうして手に取った一冊。
期待に違わず読み易く面白かったです。科学史を辿る形で後進にエールを贈る語りは熱意を感じ、最後の「さようなら」には颯爽とした格好良さすら有ります。惜しむらくは時に例が学業を離れて何万年も経たオッサンには難しく、自分を反省しました。
ただ誰が誰に向けてのモノかという解説が欲しいですね、調べれば著者は判りますが(化学者にして大学教授だそうです)。
【関連作品】
この手の本で特に印象的だったのはファラデー『ろうそくの科学』でした。いや理系に走ろうかと思ったもの…しばらくして目が覚めましたが。敢えて言うと本書も加えた中でもベストです。

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