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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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水上勉『五番町夕霧楼』


『五番町夕霧楼』
角川文庫
平成23年1月10日読了
良いのだがナンとも捉えどころの無い感じで、誰かに内容を聞かれたら説明に困ると思いますね。
金閣寺放火事件を題材にしているのは確かですが、果たしてそれがメインかと言うと違う気がします。確かに起承転結の“転”に当たる大きな事件ですが、例え現実にそれが起きていなくても同じような展開になったんじゃないかしらん( もちろん同事件をきっかけに着想は得たのでしょうが)?
またヒロインの夕子についても捉えどころの無いキャラクターであり、かつ作者が内面に踏み込まないので他の登場人物と同様に読者はヤキモキしたりするばかりです。
ただ登場人物たちの気持ちは皮膚感覚で伝わってきます。ラストは美し過ぎないのが美しい。やはり良い作品ですよね、今更僕の言うまでも無く。
個人的に残念なのは事件以降の流れを新聞記事の引用と言う形で描写している点で、それまでの淡い水彩画の味わいが急にゴチャゴチャした新聞の切り抜き帳のように感じられて違和感を覚えました。まぁ他に手を考えつくかと言うと僕なんぞには無理ですが。
それにしても昔の紹介分は自己陶酔していないか?一読するに印象をまるで当てていない気がするのだが…。
【関連作品】
『金閣寺』三島由紀夫:同じ金閣寺放火事件を扱っています。
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A・A・ミルンA.A.Milne『赤い館の秘密』TheRedHouseMystery


『赤い館の秘密』TheRedHouseMystery
訳:大西尹明
創元推理文庫
平成年10月26日読了
寝床で読むには最適で、丁寧で判り易いのが素晴らしい
パズル式で進めるのならコレくらいが僕にはちょうど良いですね、あまりにゲロゲロなのは面倒で。なんとなく作者の人柄のようなものも感じられ、雰囲気って大切だなぁと。

プロスペル・メリメプロスペル・メリメProsper Merimee『コロンバ』Colomba


プロスペル・メリメプロスペル・メリメProsper Merimee
『コロンバ』Colomba
eは上に記号がついている、の意味です※
訳:杉捷夫
岩波文庫
平成19年6月12日読了
地中海地方を旅行中の英国軍人とその娘が、仏国軍を退役してコルシカに帰郷しようとしている青年と知り合い交流を深めます。やがて青年の故郷の村での再会を約して両者は別れますが、帰郷した彼を待っていたのは非業の死を遂げた父親との復讐を求める周囲の圧力でした。
…などと簡単に粗筋を書いてしまうと古典的なロマンスでしかなく、かつ登場人物も古典的というか、いかにも19世紀的(僕のイメージすると言う意味で)ですが、淡々と当時の小説を読むというだけの楽しみにならないのはコロンバの魅力でしょう。
タイトルにもなっているこのコロンバという言葉ですが、主人公の妹の名前です。前述の通り主人公は明らかに兄だと思うのですが、最後まで読み進めていくうちに納得。なるほどこの小説の最大の魅力は彼女であり、強烈な印象を残す登場人物という意味ではカルメンと双璧ではないでしょうか?
個人的にはエピローグとも言える最終章が特に印象的で、素晴らしい!映像が目に浮かんでくるようです。映画化されていないのか知らん?

イアン・マキューアンIan McEwan『アムステルダム』Amsterdam


『アムステルダム』Amsterdam
訳:小山太一
新潮文庫
平成20年10月15日読了
どう言って良いのか判りませんが、「読んだ」と言える作品でした。多分まどろっこしいと言う人も多いんだろうなぁと思わなくも無いのですが。
アチコチで途中でオチが判るとか言われおり、確かにミステリーとしてはその辺り鮮やかさに欠けていると言うべきなんでしょうが、そういうタイプの作品ではありません。むしろそうやって先を考えるのではなく、今現在のページを楽しむ方が合っているのでは無いでしょうか?
もっともミステリー馴れしていない僕にとっては、上手くオチをつけられてしまったのですが。
主人公の一人は作曲家で、その為に音楽用語が多用されています。音楽についてまるで知識の無い僕ですらナントナク判る気がするのですから、少しでも知識の有る方なら更にリアルに楽しめるのではないか知らん。
ケチをつけるとしたら時々訳文がこなれていないのが鼻につくコトで、やや文体としてギクシャクする印象が残ったのが惜しい。
もちろん原文を読んでいないし(理解出来ない)僕が言うのもおかしな話ですが、それでも擦れる不快感は否定出来ないのですが。また往年の訳文に比べて注釈が無いなぁと思っていたら、あとがきによると「判らない」からなんだそうで、ガックリと来ます。
【関連作品】
『Jの悲劇』原作イアン・マキューアン

フランシス・マコートFrank McCourt『アンジェラの灰』Angela's Ashes


『アンジェラの灰』Angela's Ashes
訳:土屋政雄
新潮文庫
平成21年1月4日読了
面白いと言えば面白いのですが、ちょいとシンドかったのも確かでした。
回想録なのにその当時の一人称(つまり現在の自分が8歳の時の記憶を書くのではなく、8歳の自分が8歳としての現在を語る…というパターン)というのは目新しく非常に印象的なのですが、なんか成長しないのがなぁ?
例えば15歳ならもう少し大人じゃないか、なんて思ったりして。まぁ人それぞれですが。
ところで本書はアメリカ生まれのフランク少年が成長して再びアメリカの土を踏むまでの、主にアイルランドでの貧乏暮らしを描いているのですが、コレだけではタイトルの意味は判りません。またなんとなく食い足りないんです。続編が有るのだと思えばこそ納得しますが、最初はコレだけでベストセラーになったのか…と不思議に思えなくもないですね。
ま、はるか以前にCBSで著者を紹介したリポートを観ているので、「灰」がナニを意味するのかなどは知っているつもりなのですが、果たして正しいか否か?個人的にはそのリポートの方が面白かったんですけどね。

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