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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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ゴーゴリNikolai Vasilievich GogolНиколай ВасильевичГоголь『死せる魂』Dead Souls


『死せる魂』全三冊Dead Souls
訳:平井肇 横田瑞穂
岩波文庫
平成21年4月12日読了
いや面白かった!意外ですけどね、ロシア文学の暗くて長くて読み辛いという印象(しかし嫌いではない)は、ドストエフスキーが諸悪の根源なんだなぁ…と改めて思いつつ爽快に読了しました。
爽快ってのも不適切かな?
得体の知れないチチコフなる主人公が目的を明らかにしないまま、既に死んでいるものの戸籍というか帳簿上は生きているコトになっている農奴を買い漁る様子を描くというのが骨子です。で、それぞれの相手にロシアの現状(と言っても当然執筆当時かその少し前、いずれにせよ19世紀半ば)を戯画化しているのですが、これが面白いんですよね。
そしてその目的と正体を明かすタイミングが上手い。
第一部の終盤に作者自ら述べているところによると本来は三部作の構想だったらしいのですが、実際には未完の第二部で中断しています。
しかしコレはコレで良かったんじゃないでしょうか?
なんとなく説教じみて来かけていたので、コレはちょっとなぁと感じ始めたところで終了…ですから。完成していたら単なるお説教になっていた気がします。ミロのヴィナスと同じで、未完だからこそと言えるのではないかしらん。
勝手な言い分ですが。
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ガブリエル・コーエンGabriel Cohen『贖いの地』Red Hook


『贖いの地』Red Hook
訳:北沢和彦
新潮文庫
平成19年7月10日読了
形はミステリーですが肯定的な意味で言うと、違います。
ニューヨークを舞台に殺人事件を追うベテラン刑事…と雑に設定を書くとモロですが、そういう設定というだけで実際はもっと多面的。自分の父親を反面教師にして息子に接していたつもりが離婚して家庭そのものを壊してしまった主人公と、父親との付き合い方が判らない息子の関係がまず微妙。更にこの二人を中心に様々なタイプの登場人物が出てきますが、全てに体温が感じられます。
読み物としてはどうか、と言うと所謂ミステリーの王道としてのソレとは違いますが謎解きもちゃんと有りますし、「あ!」と思わせられる仕掛けも幾つか有ったりします。こういう“娯楽”も有るのだという感じですね。
ただ全体に抑制の効いた描写であり、作者の(ほぼ全ての)登場人物に対しての愛情や好意が感じられるので、この辺り「地味で食い足りない」と思われる方も多かろうと思います。

北杜夫『天井裏の子供たち』


『天井裏の子供たち』
新潮文庫
平成23年9月24日読了
冒頭でスルリとコチラの気を引くとそのまま作者のペースに飲み込まれ、見事なサゲまで一息に進みます。そうは言ってもペースは実にゆったりとしていて急かされる訳では有りません。
展開もまた大袈裟ではないモノの仕掛けに満ちていて、あらっと意外な進行方向に驚きます。そういう意味では表題作の書きだしも見事ですが、「静謐」が素晴らしい。祖母が孫に話を聞かせるというのが主な場面なのですが、昔話を聞くのに不安と興味が半々だった子供の頃と同じ気分になって行きます。内容は大人向けなんですけどね、最後に上手く暗幕を開けますが。

北原亞以子『妻恋坂』


『妻恋坂』
文春文庫
平成24年4月6日読了
表題作及び収録二作目の「仇討心中」が特に素晴らしかった。無理に起承転結を求めたり感動を強いたりしない辺りが粋で、更に言うと尾形光琳を連想さする雁金屋やら様々な絵師の名前が出てくる辺りも僕のツボで、知識の出し方もこれまた粋であります。
登場する女、また男らは無駄に現代的でなく、無理に時代モノ的に鋳型にはめて居ないのもまた良い。
著者の作品は今まで読んだコトがありませんでしたが勿体無い話と惜しむべきか、いやコレから読めるのを喜ぶべきか?
藤沢周平は好きですが、さて粗方読んでしまうと次のお気に入りが欲しくなるものです。しかし探しても代わりが居る筈もなく、似たような作品を手にしては不満を覚えた経験をされた方も多いのではありますまいか。少なくとも僕はそうであり、本書もその失望覚悟で手にしたのですが、期待以上でした。
なにより藤沢周平ゴッコに自己陶酔していないのが良い。珍しく絶賛してるなぁ、僕。

菊池寛『藤十郎の恋・恩讐の彼方に』


『藤十郎の恋・恩讐の彼方に』
菊池寛
新潮文庫
平成23年3月27日読了
確かに面白いのでなるほど当時は一世を風靡した訳だとは思うが、死後に読まれなくなったと言うのも判る気がした。
話は面白いのだがナンとはなしに文章を読む楽しさに欠けている…と言うと偉そうだが。いやつまらなくは無いんですよ、でもねぇ。

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