
『死せる魂』全三冊Dead Souls
訳:平井肇 横田瑞穂
岩波文庫
平成21年4月12日読了
いや面白かった!意外ですけどね、ロシア文学の暗くて長くて読み辛いという印象(しかし嫌いではない)は、ドストエフスキーが諸悪の根源なんだなぁ…と改めて思いつつ爽快に読了しました。
爽快ってのも不適切かな?
得体の知れないチチコフなる主人公が目的を明らかにしないまま、既に死んでいるものの戸籍というか帳簿上は生きているコトになっている農奴を買い漁る様子を描くというのが骨子です。で、それぞれの相手にロシアの現状(と言っても当然執筆当時かその少し前、いずれにせよ19世紀半ば)を戯画化しているのですが、これが面白いんですよね。
そしてその目的と正体を明かすタイミングが上手い。
第一部の終盤に作者自ら述べているところによると本来は三部作の構想だったらしいのですが、実際には未完の第二部で中断しています。
しかしコレはコレで良かったんじゃないでしょうか?
なんとなく説教じみて来かけていたので、コレはちょっとなぁと感じ始めたところで終了…ですから。完成していたら単なるお説教になっていた気がします。ミロのヴィナスと同じで、未完だからこそと言えるのではないかしらん。
勝手な言い分ですが。
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