
『舵をとり風上に向く者』
新潮文庫
平成22年12月29日読了
敢えてこんなことを言うのもどうかと思いますが、説明過剰ではないのが良い。
例えば表題作のラストで主人公が感じる不愉快はナニに向けられたものか?また「一瞬の幸福」の怒り、「ON THE COME」の賭けたものとその対価…と自分の中にゴロリとした読後感が残ります。何年かおきに読むとその度に解釈が変わるんだろうなぁ。
どれもギリギリにぴんと緊張して見栄を張っている先輩、と言う感じで少し離れて憧れて観てしまいますね。僕自身は関川夏央の年の離れた弟と言う気分なんですが。
ちなみに「銀幕に敬礼」の主人公を石原裕次郎をイメージしたと某サイトのカスタマー・レビューに書いている方がいらっしゃいましたが、いやいやエースのジョーだろう?と思うんですけどね。まぁ僕自身、日活アクションをロクに観ていないので見当違いかも知れないですし、全体としてこんな推測自体が野暮な話ですが。
蛇足:明らかに勘違いしている全共闘世代の解説は蛇足と言うよりも玉に瑕で、本を痛めるのを恐れなければ剥ぎ取りたいくらい。不惑を過ぎて依然“世界同時革命”の寝言を唱えるのも結構ですが、果たして以来20年を経て少しは世間を良く出来たのかよ??と。
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