
『ニュースキャスター』全二冊TheEveningNews
訳:永井淳
新潮文庫
平成21年7月13日読了
情報小説というジャンルの開拓者にして、まさに職人とでも言うべき作者らしい卒のない仕上がり。
ただしソレ以上でも以下でもありません。
冒頭の航空機事故のエピソードで登場人物だけでなくテレビ局の構成まで紹介してしまう辺り、さすがです。キャラクターも、その人間関係もやや類型化されており新鮮さには欠けますが逆に頭に入り易いのも確かで、読み進める邪魔になりません。またいきなり事件に行かずシッカリと準備が成されから入るのも手際が良く、安心して任せられます。
ただ個々の情報は面白いのですが、小説全体の構造は非常に退屈です。いや面白く読めるのですが伏線は全て見え見え、展開はお約束…まぁ元から期待する方が間違いなんですがね。
気になったのはFBIその他捜査機関がまるで機能していないコト。いくらそういう作品とは言え冷遇し過ぎじゃないかしらん?
また人質になった親子のアメリカ万歳的なところが…まぁコレも仕方ないか、作者自身アメリカ人だろうし(カナダじゃないよね?)。
ところで上巻329ページで「北京ダックに箸を伸ばす」と有りますが、アレって手じゃないと食べ辛いですよね?
我々の知る北京ダックとは別物なのかしらん、まさか画竜点睛を欠くとは思えないし…手で食べるのは僕だけだったりして。