
『モロー博士の島 他九篇』
訳:橋本槇矩・鈴木万理
岩波文庫
平成19年10月21日読了
モロー博士により創造された動物人間ですが、描写が浅いので逆に想像の域が広がり非常に鳥肌が立ちました。でもその勢いで映像化するとイメージの固定に繋がり、失敗に至るのではないかと要らぬ心配をしたりして?
ウェルズの作品はガキの頃に「タイムマシン」などを含んだ短編集を読んだのですが、ナニがなんだか判らずに終了。今回は有る意味で再挑戦でした。
結論としては“SF作家”という思い込みが無ければ面白く読めたのにな、と自分の無知が残念でした。実際カバーの紹介文には「SF・怪奇短編集」と有るし。個々にドレが良いとかは省略しますが全体としては「怪奇」に分類される作品の方が面白く読めました。「SF」に当たる作品は“思いつき”で終わっている感じです。当時としては約40年後の新聞が届く…なんてのはそれだけで充分だったのかもしれませんが?
余談。
恥を承知で書き加えると、ウェルズをアメリカの、ヴェルヌをイギリスの作家だと思い込んでいました。前者はオーソン・ウェルズのラジオドラマの所為で、後者は主人公にイギリス人が多かった印象からと思われます。
実際にはウェルズは主として20世紀前半(代表作は19世紀最末年発表)の作家で、ヴェルヌは19世紀後半に活躍していたそうです。その辺りを知った上で読み直したら印象も変るかしらん?