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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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小川未明『小川未明童話集』


『小川未明童話集 赤いろうそくと人魚』
新潮文庫
平成23年10月11日読了
いやなんか暗くないかい?
作者が陰気と言うのではなく、時代の暗さと言うか、当時の照明事情のせいというか…とにかく暗かった。もちろんだからダメだと言う訳ではなく、子供向けの柔らかい本に慣れていた身には驚きだった。
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井上ひさし『不忠臣蔵』


『不忠臣蔵』
集英社文庫
平成23年12月3日読了
フィクションと割り切って楽しんでいる分には文句はないのですが、半ば史実とされているのがひねくれ者としては気に入らない。『西遊記』は歴史小説で孫悟空や沙悟浄らは実在したというようなものではないの?
で、本書です。
彼らはなぜ討ち入りに参加しなかったのか、または出来なかったのかを一人語りの連続で明かしていくというのがまず面白い。そのまま舞台で観たいもんだと思ったら朗読劇として上演されたコトもあるそうで、そりゃそうだよなと納得。
各章は主題となる人物の名ですが、いずれも読み進めて行かないとその人物と語り手との関係や、時代が判らないのがミステリー仕立てのようでページを捲る手が止まらなくなります。パターンは幾つかに別れ、ブラックな笑いに包まれたモノ(ただし笑えない…素晴らしく面白いんですが)や、討ち入りその他に批判的なモノ。また一方で本家『仮名手本忠臣蔵』は知りませんがそのサイドストーリーのようなものも有ります。更には城の明け渡しに伴う実務の煩雑さや切腹の作法に始まり、アレコレの豆知識も上手く盛り込まれております。
お薦めの一冊です。
【余談】
それにしてもなぜ彼らは吉良邸に押し入り虐殺しまくったのか、理解出来ません。各登場人物の台詞を借りて言うなら内匠頭の行為は侍として下手くそ、大名としては失格。大石も家老として失格で、討ち入りなぞ残される者には傍迷惑でしかない。
現代人の感覚で裁くのは過ちの元ですが、これらは当時から判っていた筈なのになぁ?
当初の望み通りお家再興がなされていたら、せめて再士官が容易だったら彼らはそれらを捨てて討ち入りをしたのかしら?亡君の無念を晴らし公儀を批判しるのが目的ならば、とっとと討ち入って泉岳寺で腹を切りゃ良いのにさ?片付けは大変だろうけど。
【更に余談】
赤穂事件の30年だか前に浄瑠璃坂の仇討ちというのがあったそうです。標的の家へ押し入るのに徒党を組み火消し装束に身を包んでいたそうで、この辺りを大石らは参考にしたのではないか、とは少し検索すれば散見される意見です。
また敵討ちを果たした後に出頭したのも同じです。もっとも浄瑠璃坂の方は最終的に井伊家召し抱えになりますが、赤穂事件はご存知の通り。あわよくば自分たちもと考えていたのなら…ま、コレも同じ意見の諸兄が多々いらっしゃいますね。
もう一つ考えてみたい浄瑠璃坂の赤穂事件への影響として、周囲の声はどうか?
町人らの赤穂の浪士も当然やるだろう、やらない筈がない、というプレッシャー。また浪士らにしてみれば、仇討ちという一大イベントの登場人物になれるという自己陶酔も有ったんじゃないかしらん?
芥川の「或る日の大石…」などはその辺りを突いているのではないかと思うんですが。

井上ひさし『青葉繁れる』


『青葉繁れる』
文春文庫
平成20年9月7日読了
最初はテンポがとろく感じられ、所詮は昔の小説だ…と思っていたのですが面白く読み終わりました。
何時の時代も冴えないヤロウの青春は似たものかな、とやたらと劇的かつ華やかな他のフィクションと違い共感の一つも感じられたりして。これなら自分が同年代の頃に読んでも楽しめたでしょうね。
その要因は大人がシッカリと描かれているコトではないかと思われます。
しっかりと人物造形が成されており、それがほんの少しのシーンでキッチリと生きています。ラストもなんとなく良い味わいで、あぁモンキー・パンチ辺りが漫画にしてくれないか…無理だな、多分。

池波正太郎『信長と秀吉と家康』he story of three legendary conquerors


『信長と秀吉と家康』he story of three legendary conquerors
PHP文庫
平成20年1月5日読了
年少の読者向けに書かれたのだそうですが、批判的に読める大人になってからで良かったとしか言い様がありません。
若い頃はいざ知らず、信長って果たして英雄として褒め称えて良いんですかね?梟雄とでも言った方が合う気がします。ヒトをヒトとも思わない酷薄かつ冷酷な性格、自分を神と言い切る誇大妄想癖…言っちゃなんですがアリャ異常だべ。
「信長は何故殺されたのか?」なんてテーマを時々テレビなどで見かけますが行状を見れば殺されて当然で、もう○年生きていたらなんてのはナンセンス。本能寺の変を生き延びても別の人間に殺されただけなんじゃないですかね。
考証も古いのですが、それは仕方ないですよね。
【関連作品】
・合わせて読んだ同時代を描いた作品はコチラ
『花落ちる智将・明智光秀』笹沢左保
→本能寺の変を反逆する側から描いた作品。僕としては本書の信長像に説得力を感じました。
『反逆』遠藤周作
→松永久秀、荒木村重、明智光秀と続く信長への反逆の歴史と秀吉の“天下取り”まで。
『秀吉と武吉 目を上げれば海』城山三郎
→前掲書では背景でしかなかった毛利方の様子が描かれています。本能寺以前から関が原の合戦まで。
『逆軍の旗』藤沢周平
→光秀を生身の人間として描き、そのアヤフヤさが非常にリアルでした。

井伏鱒二『川釣り』


『川釣り』
岩波文庫
平成22年1月21日読了
僕自身はまるで釣りをしないのですが、非常に楽しく読みました。
渓流の様子などまるでそこに自分が居るように感じられますが、これはやはり好きなコトを文章巧者がリラックスして書いているからではないかと思われます。そのどれか一つでも欠けたら違和感を覚えたでしょう。
前述の通り僕は釣りをしないので釣りの好きな方がどう読まれるかは判りません。しかし釣りをしない人でも楽しめるのは受け合えます。

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