
『モスクワから消えたスパイ』The Spy In Question
訳:笹野洋子
講談社文庫
平成22年3月12日読了
不思議に面白い作品でしたが、どう説明すれば良いのやら?
最初に登場人物が次から次へと現れて手に余りそうになるのですが、彼らが次第に整理されていく過程には驚かされます。その方法はある意味で贅沢、一方で情け容赦がありません。
物語はモスクワに於ける英露のスパイ狩りと言えば適切でしょうか?両国の情報部の他にユダヤ人による反体制派地下組織なども出て来て興味深く、またクレムリン内の権力闘争も垣間見られかなり多層的です。
更に複雑なのは読者に補足説明がなされていないナニかが進行しているかのような描写が有る点で、僕の読みが浅いのかもしれませんが様々な解釈が可能な仕組みになっています。
ただそれが単純に僕がダラダラ読んだから判っていないだけなのか、作者の意図した通りなのか、はたまたマグレに過ぎないのか…その辺りが不思議な印象の元かな、と。
面白いんですけどね、作者の評価は他も読まないとナンとも言えませんなぁ。
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