
『極楽とんぼ 他一篇』
岩波文庫
平成24年2月28日読了
いやはやナントモ呑気な話と言えば言えます、しかしなぁ…本人としては不本意かもしれませんがね。
好きこそものの上手なれ、とは言いますが本編の主人公は“その道”の才能ばかりで社会人としてはサイテーと言えましょう。少なくとも自分の組織で部下には絶対にしたくないし、長としても仰ぎたくない。同僚としても迷惑。ただし友達に一人くらいいても我慢出来るかもしれません、むしろ彩として楽しいかも。
平たく言えば読んでも仕方が無い、なんで小説にしたのだろう(しかも岩波文庫がだぜ?)と言いたくなる方も多いであろう作品なんですが何故か面白い。ついつい頁をめくってしまうのは話芸の見事さか、それとも主人公に何故か惹かれてしまうからか…そう考えると作者の凄さが判ります。僕が今更言うのもアレですが。
同時収録の「かね」も妙な話で父親の言う“これ(結構な金額の遺産)を元にひと仕事してみろ”から、どうして主人公は盗みを選ぶやら?
その行動は僕としては理解出来ないのですが、主人公の行動としては納得させられてしまうという不思議さは、やはり作者の凄さと言いますか。
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