
『女系家族』
新潮文庫
平成19年5月16日読了
※最初に注意。文庫裏の粗筋紹介ですが、下巻のソレで結末を書いてしまっています。事前にこの部分を読まないコトをお薦めします<※
大阪船場を舞台に老舗の遺産相続争いを描いた作品なのですが、とにかくドイツもコイツもえげつなくて良かった。しかもソレが妙にリアルで自分が当事者でも似たような行動に出ただろうと納得せざるを得ない説得力でした。
もちろんドロドロとした人間関係も出て来ますが、むしろ面白いのは大阪の風俗で外国文学を読むのに似た楽しさでした。セリフだけでなく地の文にも混ざる大阪の言葉遣いは心地良い。着物や料理について書かれていることは半分以上理解出来ていないとは思いますが、それでも雰囲気は充分に伝わって来ました。この辺りに気合を入れたらかなり見応えのある映像作品が出来るのではないか知らん?
ただ注文をつけるとしたらラストの仕掛けの見せ方をもう一工夫して欲しかったように思います。下品なサービスに走る必要は有りませんが、もう少し劇的でも良かったかと。例えば上質の推理小説のように。
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