
『用心棒日月抄』
新潮文庫
平成20年10月24日読了
確かに面白いのですが、チョイと不満が残りました。
まず主人公の藩の政争と赤穂浪士事件とを同時に解決させるのはどうか?発表当時の事情も有ったのかも知れませんがむしろ主人公の脱藩事情の方は放置しといた方が良かったんじゃないかと思いました。
また赤穂浪士事件の方も、扱いの大きさが微妙な気がします。
たまたま縁が有り時々事件の当事者たちに関係してしまった…という主人公の視点から事件を描くのか、それとも主人公の生きた時代の背景としての扱いに留めるのか?ドチラか決めかねたんですかね。
【蛇足】
樋口清之『逆・日本史』を楽しく読んだ人間としては本作での大石内蔵之助の描写は説得力が有り、かつ魅力的ですらありました。最初から最後まで「討ち入りだ、仕返しだ」なんてウソ臭いと言うか、ちょいとなぁ?
【関連作品】
芥川竜之介『或日の大石内蔵之助』
→討ち入りを無事済ませ、身柄を細川家に預けられている大石内蔵之助の、或る一日を描いています。義挙だナンだと世間が褒めてくれている…というコトを喜んでいる仲間への違和感のようなモノが出ており、本作の人物像と併せて読むと面白いかと?