
『孤剣 用心棒日月抄』
新潮文庫
平成20年11月2日読了
いやぁ皆さん褒めてらっしゃいますが、ホントかよ?と。
もちろん藤沢周平そのものを否定するつもりはないし(むしろファンと言えるのですが)、素晴らしい作品も多いと思うのですが少なくとも本シリーズはどうなのよ?
主人公の用心棒家業の背景に、赤穂浪士の討ち入り事件と主人公の藩の政争を同時進行させつつ描いた前作は全体的に纏まりに欠けて薄ぼんやりしていたのですが、本作は更に酷いと思いました。
出だしは期待させるんですけどね。
藩の存亡を賭けた書類を持って逃亡した男の探索を命じられた主人公は、脱藩者に偽装して江戸へ戻る。しかし政争の中でのことなので後ろ盾の中老からは資金援助が得られない。そこで再び用心棒になり…ってのは面白いと思いますが、如何せん設定が生きていないのではないか。また生活に追われているだけに探索に力が入らず、むしろソチラは他人任せ。
難点を挙げればキリが無いのですが、少なくとも個々の用心棒譚に関しては前作の方が纏まっていたと思います。
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