
『雁の寺・越前竹人形』
新潮文庫
平成23年12月6日読了
「雁の寺」は屈折した人間の心理を描く文学作品であろうと読み始めたら、最後はいきなりミステリーになって終わり…しかし始まりの不気味さは残ります。まぁ全体にヌメヌメとしたそれでいて干からびたような怖さが漂っているのですが。
覗きこみたい登場人物の内面について作者は別の視点から観察しているだけなのですが、解説によると作者にとって生々し過ぎたからではないかというのですがね。確かにドロドロし過ぎているのもなぁ。
「越前竹人形」は泣かせるが今時はウケないかしらん?大正時代が舞台だからといって過去の話とは限らないんだがなぁ…現代版にも脚色出来ようし、なにより悪い奴ほどよく眠るのは昔の話では有りますまい(その映画が既に昭和なのですが)。
それにしても情景描写の見事さや台詞の珍しさは楽しく、ちょっとした(外国)旅行をしている気分ですね…国内だけど。
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