
『黒い河』Black River
訳:三川基好
新潮文庫
平成21年6月16日読了
やはり飽きさせず読ませはするのですがソコまでですかね、個人的な趣味になりますが。
まず前作に対して文句を言いつつ本書を手に取った理由を書くと、裏表紙の紹介で触れられているネタが僕のツボだったから。病院の手抜き工事による崩壊事故とその死傷事件の裁判なんて、耐震偽装騒ぎの頃なら巷でかなり話題になったんじゃないですかね…発表との時期はどうなんだろう?
また前作の連続強姦殺人云々に比較して、センセーショナルに過ぎないのも良いかと。
ただ前作に比べるとマシになったとはいえ人物描写が不充分で、ノッペラボウが何人か居るのが惜しい。大体前作でKGBに殺人訓練を受けたようなコトを言っている割にその見せ場が無く、またその実力も怪しく思えたりします。護身用に射撃だけは一通り、なんて程度で良かったんじゃないですかね。
また事件に関してもスッキリしない。
いや終わり方がどうとか言うのではなく、読ませ方がスッキリしません。読んでいてピン!とピースがはまり、「おぉっ」とスパートがかかる場面が有っても良かろうに、その手のサービス精神はなく訳知り顔に省略して済ませてしまいます。
おかげで今ひとつ乗り切れない。
ところでこのシリーズの中で本書だけ絶版らしいのですがナンでなんですかね?前作との時間軸のズレについては解説でも触れられているのですが、むしろ自作以降との整合性が問題のような予感がするんですけどね。
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