
『捕虜収容所の死』Dwath In Captivity
訳:石田善彦
創元推理文庫
平成21年11月7日読了
古き良き時代の名作映画を観たような感じ、というのが最初の読後感です。もちろん好感を持っての感想です。
作者の満足の為に読者に嫌悪感を強いるような悪役も出ず、下品と紙一重(時に行き過ぎが多い)の描写も有りません。まぁこの辺りは執筆が1952年という時代も有るかと思われますが。
また本作の売りの一つであろう「密室トリック」も所謂本格派の愛好家には反則気味でしょうが、逆にリアルで作品全体から浮いておらず妥当に思われます。
時にユーモアに満ちた早い場面展開は現代の読者にも合うでしょう。
ただ第二次大戦についての予備知識がないと少々掴み難い点が有るかと思います…って僕もですがね。
技巧に傾斜しきっていたり過激さに走り過ぎた昨今の作品に疲れた方にはお薦めの作品です。
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