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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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矢作俊彦『複雑な彼女と単純な場所』


『複雑な彼女と単純な場所』
新潮文庫
平成20年1月12日読了
ヨコハマには以前から憧れが有った(ベイスターズのファンになったのは無関係)のですが、所詮ヒトは生まれ故郷の殻を尻に付けて生きているのだなぁと感じています。毎年ハマスタに出掛けるのですが帰途が長い所為でも無いのでしょうけど、球場外に一歩でも出ると余所者としての気分が抜けません。
で、本書なのですが違った意味で僕との共通点のようなモノを感じなくも有りませんでした。
著者は横浜市中区の出身で僕はソレに憧れる“千葉の百姓”なのですが、未だに暮している故郷が我が物顔の他所からの流入者に浸食されているという寂しさというか苛立ちというか、一言では言い表せない感情が有る点は同じではないかと。
統一されたテーマで書かれたのではなく、幾つかの雑誌などに掲載されたモノを集めたエッセイ集ですが総じて雰囲気は同じかなぁと。相当口が悪いのですがソレに釣られてはイカンのだなと。
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コーネル・ウールリッチ Cornel Woolrich『夜の闇の中へ』Into the Night


『夜の闇の中へ』Into the Night
補綴:ローレンス・ブロックLawrence Block
訳:稲葉明雄
ハヤカワ・ミステリ文庫
平成23年4月16日読了
一読してなるほど“夜の詩人”なのだなぁと納得。闇の中に花の香りが漂ってきそうな描写は見事。また(僕の目が節穴なだけかもしれませんが)未完成の作品を完成させたブロックの筆跡も目立たず読み易いです。
ただ結末はやはり解説者の推測するような「やや下向き」な方が相応しく思えました。もっともブロックによるウールリッチへの愛情表現、手向けの花であると考えれば甘さも切なく受け入れられますが。

スチュアート・ウッズStuart C. Woods『囚人捜査官』Heat


『囚人捜査官』Heat
訳:峰村利哉
角川文庫
平成21年8月14日読了
ウォルター・ヒル監督の作品を文字で観ているような、ゴリゴリとした展開は…いや、面白いとは言い切れないなぁ。徹頭徹尾同じペースでグリグリというのも嫌いではないのですが、文庫一冊となると長過ぎます。
まずハラハラはさせれてもそれ以上には進みません。予期せぬトラブルで窮地に追い込まれたり、計画を変更したり…という展開が無い。やってくれそうなトコまでは行くのですが、寸止めばかりです。
設定からしてやり辛いのは判りますが、他に読者にも伏せた主人公の計画や行動目的も無いってのはなぁ。
せめてハラハラを上手く煽ってくれれば良いのですが、前述の通り緩急が無いので食い足りない。もう少しで良いのでメリハリが有ればなぁ。
ところで裏表紙の紹介に「職人作家」とありますが、どういう意味なんですかね?金銭を得る職業としての作家なんだから職人の一種だろうし、読者の期待に応えるというのも当然だろうし…判らないなぁ。
例え先が読めるような斬新さの無いストーリーでも、ツボを外さず一応の満足を与えられてこその、職人作家だと思うんですがね。

スチュアート・ウッズStuart C. Woods『草の根』Grass Roots


『草の根』Grass Roots
訳:矢野浩三郎
文集文庫
平成22年2月8日読了
知る人も多く評価も高い『警察署長』の続編かと思い読みましたが、ぜんぜん別物でした。
もちろん僕が勝手にそう思い込んでいただけですが、本書の主人公は『警察署長』の初代の孫であり、両方に共通して出てくる要素も有るとなれば早合点とばかり責められる言われもないかな、と自己弁護。
確かに主たる舞台の一つはデラノですし、『警察署長』では若手だったビリー・リーが引退した大物として登場したりします。
でもそれだけ。
根本的な違いは『警察署長』がシッカリとした小説だったのに対し、本作は断片の寄せ集めの印象が強い点でしょう。複数の筋立てが並行して進み、やがて大きなうねりとなって読者を一気に結末へと押し流す…のが狙いなのは判るのですが、完全に失敗しています。個々のエピソードが浅くて散漫ですし、不必要なサービスにはウンザリしました。
完全に種明かしをしない仕掛けが有ったのにはニヤリとしましたが、他はなぁ。
【関連作品】
『警察署長』コチラに惹かれて本書を読んだのですがね、いやぁ………。

スチュアート・ウッズStuart C. Woods『警察署長』Chiefs


『警察署長』Chiefs
訳:真野明裕
早川書房
平成21年11月17日読了
舞台は米国ジョージア州の架空の街デラノ。その街の初代から3人の警察署長を主人公にしたミステリー…の筈なのですが、むしろ面白さは別でした。ガキの頃に初めて読んだ時はミステリーとしての謎解きや犯人の歪み具合などが食い足りず(それは今でも)印象に薄い作品でしたが、大人になって再読してみるとそれなりに味わい。
思うに本当の主人公はデラノの街か、または街の有力者である銀行家なのではないかしらん?
全編を通じて大人として登場するのは彼と他に数人ですし、一番顔を出すのは彼です。街の草創期から開発に立ち会い更に警察署長の人選やらなにやらと狂言回しのような役回りとでも言いましょうか。
ガキの頃には期待していたミステリーとしての要素ですが、再読するとむしろ邪魔に思えました。せめてもう少しセンセーショナルではない事件の方が良かったんじゃないかなぁ。変に其方に気が散ってしまう。
ちなみに警察署長は物語を繋ぐ経糸の役割程度でタイトルには相応しくないのではないかと思ったのですが、おぉっ!アイツもか…と気がつきました。ならば妥当だと思い直したのですが、現題は複数形。ならばコレは僕の深読みか(未読の方には意味不明でスイマセン)。
【関連作品】
『草の根』初代警察署長の孫が主人公です…がねぇ。

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