
『よろずや平四郎活人剣』上下巻
文春文庫
平成24年3月7日読了
天保の改革により不景気になっていく江戸の街が背景として効果的。実家の長兄に使われる関係で巻き込まれる改革派の水野(実際にはその配下の鳥居)との暗闘が縦糸ですが、コレが適度に緩く良い感じです。
歴史的事件に絡めての連作だと赤穂事件に絡めた『用心棒』の方が通りが良いかもしれませんが、アチラが多少無理を感じさせるのに対し、本作はソレを感じさせません。まぁ多少緩すぎる気がしなくも有りませんが。
個々の事件ももめ事仲裁という設定のおかげで、時に殺伐とする縦糸の緊張感を緩和させるモノがあり愉快です。脇役も達者な演技派ばかりで素晴らしい。ただ後半は縦糸がやや緩くなり過ぎ、終盤になると帳尻合わせのように急伸するのが残念ですが。
伸びやかな気持ちになれてお勧めです。
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