
『ダンテ・クラブ』The Dante Club
訳:鈴木恵
新潮文庫
平成21年12月4日読了
略歴によると著者は「ハーバード大学英米文学科を首席で卒業」し、「アメリカ・ダンテ協会から“ダンテ賞”を授けられ」た程の人なのだそうですが、小説に関しては左程得意とは思えませんでした。特にミステリーとしては。こんなコトを言うと通を気取ったマニアと思われそうですが、このジャンルに対する思い入れはそれ程では有りません。
で、本書なのですが確かにダンテの『神曲』を知らなくても問題は有りません。登場人物の口を借りて、適当に解釈を紹介してくれるので。むしろ本書を読了後にダンテを読みたくなるというのも、その通りでした。その辺りはさすがに研究者だけあり、初心者向けに心を砕いているなとは思います。
ただ、主人公以下の登場人物については別のようで、歴史上に自在したか否かは別にしてほとんど紹介してくれていません。更に言えば南北戦争終結間もないボストンの情景をもっと描き込んだ方が良いのではないかとも。
結局のところ自分が学んだ知識を生かしてミステリーが書きたかったのか、小説形式で自分の研究をまとめてみたく思い味付けとして
ミステリーの要素を入れたのか判然としません。
一言でいえば“勿体無い”ですかね。
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