
『ポー・シャドウ』全二冊ThePoeShadow
訳:鈴木恵
新潮文庫
平成22年2月16日読了
読み終えてみれば、または粗筋だけならばそこそこの作品ではあります。僕には読み終えるのにかなりの忍耐力を必要でしたが。
版元によればアメリカ文学史上最大の謎であるエドガー・アラン・ポーの人生に於ける空白に肉迫する…んだそうです。また本作はそれだけではなくポーの作品に登場する名探偵デュパンのモデル探しも含まれており、興味の有る方には一粒で二度美味しい作品になっています(作者の結論または主張には説得力が有るように思われます)。
更に言うともっと大きな仕掛けも有りますし、一方で様々な愛の物語も描かれているという贅沢な造りです。
ただねぇ…捌き方がドの付く下手っぷりで、読んでいて苦痛な程です。舞台なら野次り倒されて当然かとも。
根本的な問題点としては作者の文才の無さが挙げられます。読んでいて情景が浮かばず、道案内に例えるなら行き先どころか現在地すら満足に説明出来ない。
加えて作品全体の構成が悲惨で読み辛いことこの上ない。
娯楽的要素が邪魔でならず、本来の出発点であろうポーの謎解きがオマケ(敢えて言えば蛇足)になってしまっています。
せめて謎解きの短編とフィクションの長編との二部構成にでもすれば良かったのに?更に言うと仕上げは本職に任せる分別が欲しかった。
出来ないのが素人の浅ましさなんでしょうが。
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