
『チャイルド44』全2冊Child44
訳:田口俊樹
新潮文庫
平成22年7月13日読了
美しい場面は多いし、飽きさせないような仕掛けを配置するのも上手い。その辺りは映画やTVドラマの脚本を手かげてきたという実績がモノを言っているのでしょうが、一方で肝心のここ一番で筆力不足を感じさせるのはその経歴故でしょうか?
残酷な言い方をすれば、一番観客や読者を惹きつける最大の力勝負の場面を役者や演出家、音楽その他のスタッフに委ねてしまっているから仕方が無いのでしょうが。まぁそれが脚本家でしょうし。
ただ面白いのは確かです、味付けなどに若さが出ているのが惜しいだけで。
ついでにもう一つだけ残念な点を挙げると、時代背景などについてかなり勉強したのでしょうがそれが悪い影響を与えています。つまり自分が知っていることは誰でも知っているのではないかと言うような錯覚に陥り、状況説明が逆に不足してしまうという罠にハマっています。…まぁ僕が無知なだけかも知れませんが。
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