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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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山手樹一郎『春秋あばれ獅子』


『山手樹一郎長編時代小説全集28 春秋あばれ獅子』
春陽堂
平成24年3月15日読了
冒頭からしばらくは甘ったるく、意外な気がした。加えて同じ話の繰り返しがくどく疲れる…登場人物による他者への説明を省略しないて毎回喋らせるんだからたまらない。
粗筋だけ言えばロマンスの味付けされたサスペンスになるのだが、一方で作品紹介(もちろん作者の責任ではないが)やら前半で甘ったるい伸びやかな印象を与えられる。
そしてそれがトッチラカッタまま。
個人的な好みで言えば、出だしの雰囲気からすれば誰も死なせないで欲しかった。ラストシーンが印象的なだけに勿体無い気がする。
もう一作の「和蘭囃子」は浣腸と虫下しの連発でイヤハヤナントモ…まぁ「春秋」よりはスッキリして読みやすいか。
ただ「西から江戸に向かう主人公が女道中師に懐中の五十両を奪われるが気にしない」「むしろ女を助けてやり惚れられる」という道具立てが同じなのがね。手抜きと言われても当然だわなぁ。
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山本周五郎『酔いどれ次郎八』


『酔いどれ次郎八』
新潮文庫
平成20年10月2日読了
試行錯誤時代の…と言うだけあって、成る程イチイマな感じの作品が多かったですね。珍しい現代小説なんて別に山周である必要が無いくらいの凡作で、こんなのまで掘りおこされてはたまらんだろうなぁ。
それでも後に代表作に数えられていそうな作品の、祖形のような出来も散見します。故に山周好きなら読んでもそれ程に腹も立たないのではないでしょうか?
最初に手に取ったのがコレだとしたら、お気の毒としか言い様が無いんですけどね。
個人的には一番完成度が高く感じられた「与茂七の帰藩」をタイトルにして欲しかったのですが。

山本周五郎『ひとごろし』


『ひとごろし』
新潮文庫
平成22年5月14日読了
生前に作者が廃棄したいと語っていたという初期きの作品から、最晩年のモノまでアレコレ入った作品集ですが、そりゃそうだよねと思わなくもなかったりしました。
戦中という時代の圧力が感じられる(当局の喜びそうな)説教臭い作品は、さすがに現代になって読むと鬱陶しい。まぁ全体的にやや理想論を説くような傾向はあるのですがね。
意外だったのは表題作でもある「ひとごろし」が既に映画化されていたというコトです。しかも主演が松田優作…最初は意外に思いましたが、改めて思うに凄い演技をしてるんじゃないかと観たくてたまらなくなっています。

山本周五郎『日日平安』


『日日平安』
新潮文庫
平成22年4月3日読了
表題作は黒澤明監督作品『椿三十郎』の原作なのですが、映画とは真逆の面白さです。違いを楽しむのも一興でしょう。映画化とはこういうもんだ、と個人的には感動しています。
再読して思ったのは、基本的にハッピーエンドだなというコトです。少なくとも運命や社会の理不尽さに身悶えするような結末はありません。
似たようなジャンルの藤沢作品と比べて意外性に乏しいとも言えますし、現実味に欠けるとも言えます。しかしその分安心して読めるのも確かで、特に寝る前には適しています。この辺りは創作の動機や発表当時の読者層の違いが原因かしらんと。
また藤沢作品との比較で言うと文章表現の違いにも興味深いものが有ります。例えば風景について言えば山周が絵画だとすれば藤沢は写真のイメージ。前者が表現にも技巧を凝らそうとするのに対し、後者は手を加えるのではなく如何に写し取るかに心を砕いているように思われます。
場面転換のタイミングや食べ物に対する書き込みの度合いから、なんとなく舞台劇と映画の匂いをそれぞれ感じるのですが、コレって作者の世代なんかにもよるのかな?と。
以上、感想から逸れてしまいましたが思うコトをつらつらと。今や藤沢周平に駆逐された観のある山本周五郎ですが、もっと読まれて良いのになぁと思われます。捨てておくには惜しいですね、多少お説教臭いけど。

矢作俊彦『舵をとり風上に向く者』


『舵をとり風上に向く者』
新潮文庫
平成22年12月29日読了
敢えてこんなことを言うのもどうかと思いますが、説明過剰ではないのが良い。
例えば表題作のラストで主人公が感じる不愉快はナニに向けられたものか?また「一瞬の幸福」の怒り、「ON THE COME」の賭けたものとその対価…と自分の中にゴロリとした読後感が残ります。何年かおきに読むとその度に解釈が変わるんだろうなぁ。
どれもギリギリにぴんと緊張して見栄を張っている先輩、と言う感じで少し離れて憧れて観てしまいますね。僕自身は関川夏央の年の離れた弟と言う気分なんですが。
ちなみに「銀幕に敬礼」の主人公を石原裕次郎をイメージしたと某サイトのカスタマー・レビューに書いている方がいらっしゃいましたが、いやいやエースのジョーだろう?と思うんですけどね。まぁ僕自身、日活アクションをロクに観ていないので見当違いかも知れないですし、全体としてこんな推測自体が野暮な話ですが。
蛇足:明らかに勘違いしている全共闘世代の解説は蛇足と言うよりも玉に瑕で、本を痛めるのを恐れなければ剥ぎ取りたいくらい。不惑を過ぎて依然“世界同時革命”の寝言を唱えるのも結構ですが、果たして以来20年を経て少しは世間を良く出来たのかよ??と。

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