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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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藤沢周平『用心棒日月抄』


『用心棒日月抄』
新潮文庫
平成20年10月24日読了
確かに面白いのですが、チョイと不満が残りました。
まず主人公の藩の政争と赤穂浪士事件とを同時に解決させるのはどうか?発表当時の事情も有ったのかも知れませんがむしろ主人公の脱藩事情の方は放置しといた方が良かったんじゃないかと思いました。
また赤穂浪士事件の方も、扱いの大きさが微妙な気がします。
たまたま縁が有り時々事件の当事者たちに関係してしまった…という主人公の視点から事件を描くのか、それとも主人公の生きた時代の背景としての扱いに留めるのか?ドチラか決めかねたんですかね。
【蛇足】
樋口清之『逆・日本史』を楽しく読んだ人間としては本作での大石内蔵之助の描写は説得力が有り、かつ魅力的ですらありました。最初から最後まで「討ち入りだ、仕返しだ」なんてウソ臭いと言うか、ちょいとなぁ?
【関連作品】
芥川竜之介『或日の大石内蔵之助』
→討ち入りを無事済ませ、身柄を細川家に預けられている大石内蔵之助の、或る一日を描いています。義挙だナンだと世間が褒めてくれている…というコトを喜んでいる仲間への違和感のようなモノが出ており、本作の人物像と併せて読むと面白いかと?
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藤沢周平『夜の橋』


『夜の橋』
中公文庫
平成24年4月19日読了
自選と言われて納得の逸品揃い。初期作品群のように胸を裂くような痛烈さが無く、またカラリと晴れた清々しさ後期の代表作ほどに堂々と背筋を伸ばしてもいない、じんわりと暖かい粒よりな作品集です。
まぁ知らなければ文句の一つも出たかも知れないモノすら、自選の一語で納得している辺り我ながらだらしない話ですが。
特に印象に残ったモノに触れるとまず「孫十の逆襲」は黒澤映画「七人の侍」を“正しく”描いたような設定で、著者には珍しく派手な活劇シーンが盛り上げます。
「暗い鏡」の結末も見事で、意外な救いが読後感を爽やかに。
とにかく初めて藤沢周平を読むなら、まさにお勧めの一冊です。僕自身は相当スレた読者ですが。

藤沢周平『夜消える』


『夜消える』
文春文庫
平成20年10月9日読了
うーむ、相変わらず苦ぇなぁと思いつつ読了しました。
でもなんか違うかな?とも思ったのですが、全体的にスケッチ的と言うか凄みに欠けるというか。
ただ解説で言われているように“多彩”なのは確かで、こんな作品も、あんな作品もとは楽しめました。

藤沢周平『よろずや平四郎活人剣』


『よろずや平四郎活人剣』上下巻
文春文庫
平成24年3月7日読了
天保の改革により不景気になっていく江戸の街が背景として効果的。実家の長兄に使われる関係で巻き込まれる改革派の水野(実際にはその配下の鳥居)との暗闘が縦糸ですが、コレが適度に緩く良い感じです。
歴史的事件に絡めての連作だと赤穂事件に絡めた『用心棒』の方が通りが良いかもしれませんが、アチラが多少無理を感じさせるのに対し、本作はソレを感じさせません。まぁ多少緩すぎる気がしなくも有りませんが。
個々の事件ももめ事仲裁という設定のおかげで、時に殺伐とする縦糸の緊張感を緩和させるモノがあり愉快です。脇役も達者な演技派ばかりで素晴らしい。ただ後半は縦糸がやや緩くなり過ぎ、終盤になると帳尻合わせのように急伸するのが残念ですが。
伸びやかな気持ちになれてお勧めです。

藤沢周平『闇の梯子』


『闇の梯子』
文春文庫
平成21年1月25日読了
悪くは無いけどやはり初期の作品は辛い。
町人モノは(社会派リアリズムという用語が正しいかは判りませんが、その臭いがプンプンして)コレでもかと陰気な気分にさせられます。そして暗いだけで救いが無い…別に無くても良いんですが、そういう時期の作品だと知らないで読むと陰惨な気分にさせられます。
武家モノも収録されていますが、コチラは娯楽性の欠片が見られます。ただしまだ充分にこなれていないので食い足りない気分にさせられたりもします。
文庫で適当にパラパラと読み漁るのも楽しいのですが、発表順に纏められた全集で変貌していく様を味わえたら違った楽しさがあるかなと思わせられました。もっとも編集が難しいでしょうけどね、長期に渡る連作なんか入ってたりしたら。

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