
ミステリー傑作選7『意外や意外』
講談社文庫
平成24年4月30日読了
序盤は果たしてドコが傑作選なんだか判らない、どうでもいいような作品ばかりかと思われました。松本清張にしてからが、素人犯罪者のアリバイ工作を玄人探偵たる刑事が暴くだけ…とでもいうべき作品でね。
ただ後半に入り面白く読める作品が増えてきます。もっともサゲが気に入らないなど少々の不満が混ざるモノばかりですが。
以下、良かった方に触れてみますと…
「写真の女」小松左京
後半はともかく“肉”についての考察は良かった。結末も苦いし好みではあるが、多少理屈っぽいのがなぁ。
「直線大外強襲」佐野洋
さながらディック・フランシスごっこか?それなりに成功してはいますがやはり本家には及ぶべくもない。
「裏切りの明日」結城昌治
ある意味で一番“意外や意外”な結末で、まさかのハッピーエンド。たまには良いか、とも。
「殺しに行く」河野典生
不満を二つ。まず序盤の車のルートが不自然に思えた。幾ら夜中でも新宿コマ劇場の前を走るか?またわざわざ靖国通りを渡るのもね、まぁ昭和47年の作品とすれば今と違うかもしれないが。もう一つはラスト。警察ってそんなに簡単に発砲するかね?「天才バカ×ン」ぢゃあるまいし。
しかしそれ以外は良かった。
「死んだ甲虫」笹沢左保
犯罪が絡み読み進むうちに謎が明らかになっていく、となるとミステリーなんでしょうが、パズルものとは一線を画し香りが高い。本書の中では一番ではありますまいか?
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