
『花のあと』
文春文庫
平成19年11月13日読了
玉石混交といったら叱られそうだが、この作品集に関してはなんだか打率が低い気がした。皆それなりに面白いのだが、“それなり”なんだよなぁ…と言う感じ。
町人を主人公としたものと武家を題材にしたものと混ざっているのだが、味わいが統一されておらず混乱した。別に必ずしも統一するべきとは言わないし作品集を目的として書かれた訳ではないだろうから、アレコレ入っていて当然かも知れないが、完成度までバラバラでは良くは無かろう。
個人的に興味を持って読んだのは広重を扱った「旅の誘い」で、特に「木曾街道」の連作を英泉から引き継ぐ辺りの事情が書かれていたのが良かった。以前に千葉市美術館でこの連作を観ただけに思い込みが強いのかもしれないが。
ちなみに藤沢作品にはこの作品中でも言及されている蒲原について北斎の側から書いたものも有り、もしかしたらいつかは長編を…なんて構想を練られていたのではないか、と愚考しているのですが?
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