
『球団消滅 幻の優勝チーム・ロビンスと田村駒治郎』
ちくま文庫
平成19年5月25日読了
えのきどいちろう氏は解説で「本書の魅力は田村駒治郎の魅力に尽きる」と書いているが首肯しかねます。
大阪船場のぼんちの野球好きが高じてついにプロ野球界に参入、紆余曲折を経てやがて彼がオーナーを勤める松竹ロビンスは初代セントラル・リーグの優勝チームとなる。しかし栄光の時は短く…とコレだけ書いても野球好きには興味津々な内容だと判っていただけると思いますが、実際に読むと全然ワクワクしません。最大の山場であろう2リーグ分裂の経緯については非常に判り辛く、不親切だし。
草創期のプロ野球界にメジャーリーグ張りの経営を持ち込もうとしたり、選手の現役引退後の生活設計を考えたりと発想が現代のファンのようでもあり楽しいんだけどなぁ。
思うに筆者は日本プロ野球の現状に一言言いたくて、それに利用しただけではないか?駒治郎に対して惚れて書いたのではないだろう??などと邪推されます。
そもそも興行自体が目的だったメジャーリーグと広告活動として始まったプロ野球ではオーナーのチームに対する意識が違うのも当然だろうし、長年かけて成長したメジャーリーグを単純に理想的と言われてもなぁ。昔はベーブ・ルースを“売った”球団も有るくらいなのだが?
ホントは野球がそれほど好きではないんじゃないか、と思ったりもして。
知らなかったコトが幾つか有って勉強にはなったんですけどね。
【関連作品】
『魔術師 三原脩と西鉄ライオンズ』立石泰則
『三原脩の昭和三十五年 「超二流」たちが放ったいちど限りの閃光』富永俊治
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