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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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北原亞以子『恋忘れ草』


『恋忘れ草』
文春文庫
平成24年5月26日読了
文学賞に畏れをなす訳ではないが、なるほど直木賞受賞も当然な作品集。読む楽しさを満喫出来ます。
なにより人物が見事で視点も一方的ではない。また無理に結末をつけようともしなければ過度に説明もしないのが粋です。
江戸のキャリアウーマンたちが主役である、とは作者の弁だそうですが現代の彼女たちよりしなやかでタフなんでしょうね。いや現代の彼女たちにはあまり知り合いが居ませんが。
唯一の不満は連作としたコト。確かに前話の主人公がチョイと名前を出しますが、構成としては連携していないので作者のお遊びというような位置付けで良かったんじゃないかしらん?もちろんバラではなく一冊に纏めて読むと違うんですが。
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井伏鱒二『駅前旅館』


『駅前旅館』
新潮文庫
平成24年5月17日読了
残念ながら一本も観ていないのですが、往年の人気映画に「喜劇・駅前シリーズ」というのが有りました。本書はその第一作「喜劇・駅前旅館」の原作だそうです。もっとも本書の題名に「喜劇」の文字は無く、また喜劇でもありません。
確かに面白可笑しく語ってくれておりますが、それは語り手のキャラクターであると言うべきかと思います。
駅前旅館の番頭その他最近ではあまり馴染みのない職業についてや当時の風俗を知る楽しみもまた微妙で、さてナニが面白いのか…やはり主人公の話が上手いんでしょうなぁ。
それにしても高沢というキャラクターは見事。居るよなぁ、こういう奴。イタズラ即興芝居なら僕もやっちまいそうですが。

宮本昌孝『藩校早春賦』


『藩校早春賦』
集英社文庫
平成24年5月5日読了
非常に面白く読んだが、僕の好みから言うと少し青い。
主人公たちは元服の済んだ17~8歳なのですが、それにしては幼い気がするんですよね。逆に剣技の活躍振りに対しては若い気もするし。そういう意味では青いと言うより甘いと言うべきかと?
ショッカーの戦闘員のようにその他大勢が死ぬのも作品の明るさからして、多少の違和感を禁じ得ない。
…などと文句ばかり連ねましたが、面白いですよ。作者のトボけ具合も程良いですし。
比べても仕方の無い話ですが、似たような設定の藤沢周平作品に比べて屈託の無い(良くも悪くもユートピア的な雰囲気な)のは、東海地方の伸びやかな風土で過ごした少年時代が作風に影響しているのではないでしょうか?
屈折したオヤヂには多少甘味が感じられるやもしれませんが、逆に主人公と同年代である中高生にはお薦めです。彼らはむしろ現代的かもしれませんしね。

ジョン・ハットンJohn Hutton『偶然の犯罪』Accidental crimes


『偶然の犯罪』Accidental crimes
訳:秋津知子
ハヤカワ文庫
平成24年5月11日読了
リアルと言えばリアルこの上ない作品。
殺人事件への情報提供を警察に求められた主人公は、少々外聞の悪い行動を話したくないのと、自分の話など重要ではあるまいとの勝手な判断で些細な嘘をつきます。その結果、思いも寄らぬ災厄が…という話ですが、彼が嘘をつく動機やその結果見まわれる災厄までがリアルなんですよね。
娯楽として楽しむにはこのリアルさが両刃の剣で、例えば職場の人間関係やら主導権争い、妻の(不愉快な)交友関係などが煩わしいというか判り難い。
思うにもう少し人数を削るなりそれぞれがクッキリ描けていればノレたと思うんですけどね。多少の誇張も加えたりして。まぁ主人公も含めて互いに相手が不愉快な存在ってのは面白いんですけどね、ある意味それもまたリアルか。
出だしは良い感じだったんですけどね。それぞれの職場(無能な上司に卑劣な同僚、そして生意気な若僧)や家庭(…)で孤立してしまう中年男が二人。片や殺人事件を捜査する部長刑事、一方は泥沼にはまる主人公。果たして運命の糸は…なんて期待してたんですが。
ちなみにタイトルの意味はラストに判るのですが、その頃には乗り遅れてました。残念。

デイヴィッド・K・ハ―フォードDavid K.Harford『ヴェトナム戦場の殺人』Death in jungle


『ヴェトナム戦場の殺人』Death in jungle
訳:松本剛史
扶桑社ミステリー
平成24年5月22日読了
ベトナム戦争中の前線を舞台に、合衆国陸軍憲兵隊犯罪捜査官の活躍を描く…と言ってもミステリーとしてはイマイチという評価が多いのではありますまいか?狡知に長けた天才的犯罪者も出て来なけりゃ密室殺人も起きませんから(我ながら含みが有るなぁ)。
ただ舞台設定の珍しさが最大の魅力で有るか、というのも失礼。確かに手に取ったのはそれが理由ですが、やはり主人公の物静かな性格が読ませるのではないかと思います。
そう言えばかつてウィレム・デフォー主演の「サイゴン」という英会話が有りましたが、あんな感じで映画化…には地味か。

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