忍者ブログ

守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

藤沢周平『暁のひかり』


『暁のひかり』
文春文庫
平成20年2月4日読了
なんかもうとにかく絶望的な感じで、江戸時代に生まれなくて助かったと思う作品集。時代劇をテレビなどで見る勇気が失せます…ってのは言い過ぎですが。
もちろん単なる小説なので絶対的に正しくかつ厳密なルポでは有りません(そりゃそうだ)が、説得力が有るんだよなぁ。いずれの作品も展開が鮮やかで、読み手は有無を言わさず作者のリズムに引き込まれます。そしてサゲの見事さ。冒頭に絶望的と書きましたが、必ずしもそうではありません。希望のようなモノも無きにしも非ずです。言葉通りに希望としては描かれていないのですが。
しかし胸倉を通り越して感情を鷲掴みにしてくるんだから、残酷というかキツいというか…作者はスゴイ、というか怖いよなぁ。
PR

藤沢周平『雪明かり』


『雪明かり』
講談社文庫
平成21年10月1日読了
あくまで個人的な印象ですが、地べたに這い蹲り思うに任せぬ世間を糾弾していた氏が、泣き疲れて落ち着きやがて周囲に目を向けるようになる…作家としてそのように変化していく様子を見ていくような短編集でした。
登場人物の運命が過酷なのは同じですが、描き方が変わったというか語り口が変わったというか…同じか?
対比すると「潮田伝五郎置文」の苦味と「遠方より来る」の苦味の違いが最たるもので、前者は技巧としても鮮やかな小説だとは思いますが、美味さが目立ちやや辛い。後者はユーモラスな印象が強く(この辺りは山本周五郎と似た味わいかとも?)誤魔化されそうですが、そこはかとない寂しさと秋の涼しさのようなものが有り受け取りようによってはかなり苦いんじゃないかと。
いずれにせよ発表順に読めたのは幸いでした。

藤沢周平『用心棒日月抄 凶刃』


『用心棒日月抄 凶刃』
新潮文庫
平成20年12月18日読了
前作までの3冊に比べれば読み易いのは確かです、すっきりと長編にしているので。ただし長編として読むとややダルい気がしなくも無い。テンポが悪いというか、本来の氏の作風なら次の章では場面が変わっていると思いつつページをめくると続いていて驚く…というコトの繰り返し。
全体としてナンとなく乗り切れませんでした。
作中で重要な鍵となる生類憐れみの令についても、俗に信じられているような悪法ではなかったという解釈がなされつつあると聞いてしまっては尚更ねぇ?
前作までの登場人物たちが自分を追い越して老いているのは切ないのですが、それだけかなぁ。

藤沢周平『用心棒日月抄 刺客』


『用心棒日月抄 刺客』
新潮文庫
平成20年12月8日読了
正直言って前作同様に僕の評価は低いのですが、世間的にはどうなのか知らん?連作短編集というよりはブツギリの長編という感じで、間延びしている気すらしました。
ただ一つ面白く感じたのは作者の変態振りで、このシリーズを前後して作風が明るくなったという解説(本書のものではない)がリアルに判りました。語り口が軽くなっているんですよね。一作目の頃から多少は感じられていましたが、本策では特にオチが付いているモノなどもあり変わったなぁと感じました。
ただなぁ、世間的な評価が高いのは納得がいかないんですよねぇ…コレが代表作だ、最高傑作だと言われて読んで拍子抜けしたヒトって居ないと良いのですが?大きなお世話ですが。

藤沢周平『孤剣 用心棒日月抄』


『孤剣 用心棒日月抄』
新潮文庫
平成20年11月2日読了
いやぁ皆さん褒めてらっしゃいますが、ホントかよ?と。
もちろん藤沢周平そのものを否定するつもりはないし(むしろファンと言えるのですが)、素晴らしい作品も多いと思うのですが少なくとも本シリーズはどうなのよ?
主人公の用心棒家業の背景に、赤穂浪士の討ち入り事件と主人公の藩の政争を同時進行させつつ描いた前作は全体的に纏まりに欠けて薄ぼんやりしていたのですが、本作は更に酷いと思いました。
出だしは期待させるんですけどね。
藩の存亡を賭けた書類を持って逃亡した男の探索を命じられた主人公は、脱藩者に偽装して江戸へ戻る。しかし政争の中でのことなので後ろ盾の中老からは資金援助が得られない。そこで再び用心棒になり…ってのは面白いと思いますが、如何せん設定が生きていないのではないか。また生活に追われているだけに探索に力が入らず、むしろソチラは他人任せ。
難点を挙げればキリが無いのですが、少なくとも個々の用心棒譚に関しては前作の方が纏まっていたと思います。

カレンダー

01 2026/02 03
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

ブログ内検索

最新コメント

プロフィール

HN:
上総屋:飯田守和
性別:
非公開

フリーエリア

バーコード

P R