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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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エドワード・バンカーEdward Bunker『ストレートタイム』NoBeastSoFierce


『ストレートタイム』NoBeastSoFierce
訳:沢川進
角川文庫
平成20年5月17日読了
以前同著者による『ドッグ・イート・ドッグ』を読んで打ちのめされ、『ハイ・シエラ』で怒りに震えた僕ですが、本作の主人公にはチョイと微妙でした。
いや、絶対に面白いんですけどね。
※以下内容に触れるので未読の方は読了後に進んで下さい※
8年ぶりに出所したマックスは今度こそ更正しよう、せめて悪事には手を染めるまいと決意しているものの、社会はそう簡単に復帰を認めてくれない。思うように就職とて決まりません。
オマケに保護監察官やらは偏見に凝り固まったクソ野郎で、そりゃ主人公もキレるわなぁと同情…はチョイと難しいんですよね。本作では。
処女作だから仕方が無いのかもしれませんが、この辺りの展開がパターンな感じが否めないからなんでしょうか。
もっとも最後に明かされるように回想録として書かれているのだと考えれば、主人公の言い分である訳で、その辺り深読みした方が良かったのかも、と思えはしますが。
その後結局犯罪者に戻ったマックスは大きなヤマを当てた後に全国手配の包囲網の中を奇跡的に国外脱出を果たします。そして誰も自分を知らない、追ってこない土地で静かな生活(まさに小説の前半で求めていた)を手に入れますが、退屈してしまい再びアメリカに戻り“ゲーム”を始めることを決意する辺り、所詮はというかやはりというか。
最後に一つだけ苦言を呈するとチャンと校正はするべきです。“つきの”とか“白動車”ってナンナンダか?多分前者は“次の”後者は“自動車”なんでしょうが…特に後者はイタズラかと思えますが…しかしなぁ。
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遠藤周作『白い人・黄色い人 ほか二編』


『白い人・黄色い人 ほか二編』
講談社文庫
平成22年6月3日読了
対ドイツ抵抗運動を扱った表題作「白い人」と「学生」はやや遠く感じましたが、日本人の出て来る「黄色い人」と「アデンまで」は近しく読めました。
もっとも作中人物たちの肌の色や宗教についての悩みは僕には既に縁の無いモノですが。その辺りを解説では小難しく云々していてヤヤコシクさせていますが、作品だけで充分にも思われます。
頭でっかちな登場人物が議論をするだけの作品ではなく、単純に粗筋を追うだけでも面白く読めると思います。
まぁ最初期の作品なので多少読みにくく宙ぶらりんな読後感ではありますが。

遠藤周作『スキャンダル』


『スキャンダル』
新潮文庫
平成18年11月7日読了
得意の絶頂であるべき瞬間に現れた自分とソックリな、しかし醜怪な顔の男…主人公の人徳者としての評判を嘲笑うかのごとく彼の名を騙り淫蕩な生活をする男の正体は?スキャンダル狙いのジャーナリストの影におびえつつ探索を開始するが?
どうです、読みたくなりません??
こう書くと推理小説のようですが、そうでもあるような違うような…まぁジャンル分けなんてどうでも良いんですけどね。
同じキリスト教徒の作家だから、というだけでなくもっと深いところで主人公は作者の分身に思えます。これ以上アレコレ書くとネタバレになるのでこの辺りで(←と言う書き方がまたアレだ?)。

遠藤周作『真昼の悪魔』


『真昼の悪魔』
新潮文庫<
平成21年9月7日読了
作中度々カミュの『異邦人』に触れていますが筒井康隆『乱調文学大辞典』による同書の項目同様、本書もまた「一種の犯罪小説」としては「失敗」の部類に入るでしょう。
結核と診断された大学生の難波は、入院した女子医大で連続して起きる奇怪な事件の真相を追究しようとするが…とは言うものの、探偵役としての彼は受動的過ぎ知恵が無い。パートナーと言うべき、やはり入院している父親の付添いをしている芳賀もまた顔が無い。
犯人は4人の女医のうちの一人の筈である…という難波たちの推理は当たっており、前半は二人の話と交互に正体を伏せた女医の心理と行動が語られているのですが、読者は“犯人当て”の楽しみを与えられません。なにしろ4人についての紹介がほとんど無いので区別がつかないに等しい。
また最初と最後に出てくる神父が現代社会における悪魔について語っているから、とホラー・オカルトとして読もうとしても取って付けたようであり、そちら方面のファンの方には食い足りないどころではありますまい。
現代社会への警鐘や告発、現状に対する憤りなどが力強く訴えられている訳でもなく、同じ著者の『醜聞』ほどにドンヨリとした不安感や不吉な影が有る訳でもない。
朧な記憶を手繰るに『海と毒薬』の読後感に近い気がします。書けるかと思い始めてみたものの、まだ自分の中で整理し切れておらず宙ぶらりん…というような。
誰かもう少し下品にリメイクしてくれないかしらん?埋没させるには惜しい面白い仕掛けが有るんだけど。

遠藤周作『反逆』上下2巻


『反逆』上下2巻
講談社文庫
平成19年12月4日読了
比べても仕方の無い事かもしれませんが、吉村昭に比べると地を這うような迫力が無く、司馬遼太郎に比べると作者の顔の出し方が鬱陶しい。また構成も未整理に思え、誰のナニを書きたいのか判らず。
その命令は残虐非道で到底受け入れられる筈も無いのに何故か人を引きずり込む織田信長の魔力と、一度は惹き付けられながら否応無しに反逆せざるを得なくなる松永久秀や荒木村重、明智光秀の心理のようなものが描かれているのだろう…と期待していたのですが、全く食い足りませんでした。
このテーマと言うか素材については、もっと別の人の筆で読みたい気がしました。
【関連作品】
・合わせて読んだ同時代を描いた作品はコチラ
『花落ちる 智将・明智光秀』笹沢左保
→本能寺の変を反逆する側から描いた作品。僕としては本書の信長像に説得力を感じました。
『秀吉と武吉 目を上げれば海』城山三郎
→前掲書では背景でしかなかった毛利方の様子が描かれています。本能寺以前から関が原の合戦まで。
『信長と秀吉と家康』池波正太郎
→ちょいと古臭いですが一応タイトルの通り三人について纏めています。
『逆軍の旗』藤沢周平
→光秀を生身の人間として描き、そのアヤフヤさが非常にリアルでした。

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