
『ボストン、沈黙の街』Mission Flats
訳:東野さやか
ハヤカワ文庫
平成24年11月24日読了
カバーの内容紹介やタイトル(原題を含む)に騙されてはいけません。本書は単純な、または純粋なミステリーではないですぞ。
最初にそう断らなくては気が済まない作品でした。
序盤こそ処女作に有りがちな気負いと無駄な凝りが感じられ、更に何故主人公が捜査に加わりたがるのかが今一つ説得力に欠けると言うかご都合主義な印象を受けるのですが、それを過ぎると段々に面白くなっていきます。
更には作品の印象が二転三転するのがポイントで、(訳者あとがきに見られるように青春小説的な)ミステリーかと思いきや…いやはや。あぁ微妙な過去形なのはそういうコトなのか、という結末で見事でした。
因果応報だの現代版『罪と罰』だのとも言いたくなりますが、人は誰でも応分の対価を払わなくてはならない、というのが合っているように思いました。
そういう意味では訳者と僕とではかなり読み方が違うのだなぁと。
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