
『1980ハンター』Nineteen Eighty
訳:酒井武志
ハヤカワ文庫
平成18年12月18日読了
文庫裏表紙の紹介文とは全然違う味付けの展開なのですが、ソレで良かった。そのままだったら裏切られた感じがしたでしょう。
ソレはさておき、四部作の三作目となる今回はやや纏めに入った気がしなくも有りません。それなりに前作と繋がっているしアレコレと解明される部分なども有りますし。
思うにこのシリーズって一人称で展開していますが、今までのソレと違い自分を客観的にみる要素が完全に欠落しています。
一人称って大抵は読者を意識して語りかけてくる部分が有ると思いますが、ココではそれがありません。“たった今”主人公の目に映ったものの羅列であり、耳に入ってきた音であり、頭に浮かんだ言葉を並べているだけに近い感じです。特に主人公がテンパって来るとソレが顕著になります(まぁ誰でもそうでしょうが)。
そういう意味でも映画的な作風と言えるかもしれません。主人公と同じ情報しか与えられないって辺りが特に。
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