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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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国木田独歩『号外・少年の悲哀 他六篇』


『号外・少年の悲哀 他六篇』
岩波文庫
平成24年6月29日読了
相性はやはり有るんでしょう、粗筋を紹介すれば面白くなさそうな作品ばかりですが何故か夜更かしして読んでしまいました。
表題作の一つ「少年の悲哀」は前半の美しさが魅力ですが、更に行間を読む楽しみが有ります。もっとも最後の答え合わせはチョイとあれですが。もう一つの表題作「号外」は酔って一気に書いた、というだけあって上っ面はいつもと違いますが読み終えてみればやはり独歩作品でした。
他にもスケッチ風のものやらナニやら有りますがいずれも読ませるのは相性だけでなく短いのも有りましょう。
いずれにしても明治末の東京(が多い)を楽しめました。
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北村薫『名短篇、ここにあり』


『名短篇、ここにあり』
編者
共同編者:宮部みゆき
ちくま文庫
平成24年5月19日読了
当然ながら編者の趣味が前面に出ており、それが合わないと二進も三進も行きません。まぁ本書のコトなんですけどね。
巻末に収録されている編者二人の対談からして僕のノリではなく、悪ふざけというか趣味だよねとしか言いようがありません。バラエティーと呼ばれるテレビ番組の、出演者が楽しんでいるのを彼らのファンが観て楽しむという、あの形式に似ているかもしれません。
それ故にどの作品も“名短編”と名付けて良いか疑問符の付くモノばかりでした(さすがに幾つかは面白いのも有りましたが)。
唯一の救いは、以前から読みたかった吉村昭「少女架刑」をやっと読めたコトでしょうか。特に冒頭の砂粒が水滴に踊る箇所などは印象的でした。美しいなぁ。
ちなみに重箱の隅を突っつくと「隠し芸の男」について編者二人は勘違いしています。主人公はまだ引退には間があり、勤続年数は二十年。故に本当の絶望は残りの会社人生が灰色の荒野として広がっているコトでありましょう。そう考えると結末の味わいもまた変わろうかと。

海音寺潮五郎『孫子』


『孫子』
講談社文庫
平成24年6月20日読了
俗に「講釈士、見てきたような嘘を言い」と言いますが、本書はまさにその見事な例。自然の風物や合戦の様子は観ているようであり、時々作者が顔を出し自説を述べる辺りも…って、講談を見聞したコトが無いのですが。
それはともかく中国の歴史書を参考に稀代の兵法家である孫子二人が生き生きと描かれており、久々に睡魔と戦いました。大分ですが最後まで飽きさせません。
もっとも主人公二人についての史料が多くはないらしく、周囲の人物や国際情勢に関する記述も多いのですが、それが無知な僕には参考になりました。
また二人の晩年の穏やかさも読後感を良くしています。
【蛇足】
以前に「孫子の兵法」を読みましたが自分の理解の浅さを知りました。先に本書を読んでいたらと悔やまれます。

結城昌治『夜の終る時』


『夜の終る時』日本推理作家協会賞受賞作品集17
双葉文庫
平成19年7月6日読了
かなり久し振りに再読したが面白かった。粗筋や結末を知っていて再読に耐え、更に面白いのだからミステリーとしては極上の出来なのではないか?
初見の楽しみを奪わないように書くのが難しいが、とにかく構成が見事でサゲまでが粋。所謂“謎解き部分”で間延びしないのは普段ロクにミステリーを読まない人間には嬉しいサービス。また警察という組織やそのなかの人間模様をを描くという点では娯楽に徹している所為か厚みに欠けるがペラペラではない。
特にラストの女への思いは泣かせられます。

結城昌治『裏切りの明日』


『裏切りの明日』
光文社文庫
平成24年2月10日読了
ハードボイルドとはこうだ、という作品。少なくとも僕の思うハードボイルドとはコレです。
氏の悪徳刑事モノとなると『夜が終わる時』が有りますが、本作は更にザラリとしており苦い。セットとロケの差異かしらん。
粗筋だけ紹介するとバンカーやウィルフォードに似てしまいそうですが、まるで違うのは作家の個性というモノでしょう。
唯一惜しく感じたのは主人公沢井の最後の行動がそれまでに比べ短絡的に思えるコトで、きっかけであるトシ子への思いがもう少し語られていればと残念。僕の読解力もありましょうが。
下げ方もスラリと見事で、粋だねぇ…というと違うかな?

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