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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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S.モームWilliam Somerset Maugham『手紙』


『手紙』
訳:西村孝次
角川文庫
平成25年1月26日読了
「手紙」と「環境の力」の2編からなる作品集ですが、いずれも素晴らしくどちらを表題作にしたか迷ったろうなと。
前者は推理小説のような展開も楽しめるが、むしろ後者の絶望的な緊張感の方が印象に残った。
それにしても久々に小説を読んだ気分です。
映画や舞台、その他の表現形式ではここまでは読み取れないかなと。人物造形も深いですしね。
また熱帯の重たい湿度が見事で心乱されます。
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北原亞以子『深川澪通り木戸番小屋』


『深川澪通り木戸番小屋』
講談社文庫
平成25年1月21日読了
人情、というとお涙頂戴の代名詞になりそうだが、違う意味での人情を描くのが上手い。即ち人の心情の描写が細やかにして諄くなく、非常に読ませる。
江戸に理想郷を求めるのでもなく、逆にその幻想を壊そうとするでもなく、江戸を隣町のように描いているのが読ませる所以か?
ただなぁ、謎として始まった主人公夫婦の過去は秘密のママが好みだった。
失望こそしないが、なんか昼の光の下で小皺を見せ付けられたみたいでねぇ…。

トマス・オーウェンThomas Owen『黒い玉 十四の不気味な物語』Le Livre noir des merveilles


『黒い玉 十四の不気味な物語』Le Livre noir des merveilles
訳:加藤尚宏
創元推理文庫
平成25年1月19日読了
なるほどホラーとばかり呼べない奇妙な味わいの作品集で、独特の読後感が良い感じです。
一番の魅力は漂う不安感で、主人公たちの描写が少ないのがまたナントモ効果的です。最後に種明かしをして驚かせて喜ぶ、というより煙に巻く感じ。
そういう意味では一番まとまりの有る、キチンとオチの付いている「貸別荘」が逆にイマイチかもしれません。
表題作よりも印象的なのは「公園」で最後のページ、というより最後の段落、更に言えば最後の一行が残ります。
「鼠のカヴァール」は最後が妙に幸福感に溢れており、編集者のセンスが窺えます…って偉そうだな。

滝口康彦『一命』


『一命』
講談社文庫
平成25年1月18日読了
以前に読んだ歴史小説は僕の予備知識が不足していて楽しめませんでしたが、時代小説の本書は非常に面白く読みました。
「異聞浪人記」と「拝領妻始末」は映画化作品も観たくなりました。
もっとも後者は一度観ておりラストシーンの荒涼とした景色は今でも覚えています…三船敏郎がカッコイいんだよなぁ。前者は小林正樹、橋本忍、仲代達也だそうで…並木座やらでやってたかなぁと。
それはそれとして。
自分勝手な正義を振りかざす“世間”を痛烈に批判する「高柳親子」は発表当時や現代だけでなく、いつの時代にも通用するんではありますまいか?
藤沢周平ごっこも結構ですが、こういうタイプの時代小説ももっと出て来て然るべきではないかしら?
僕の知らないだけならば、志を喜びつつ無知を謝罪しますが。

P.D.ウッドハウスP.G.Woodhouse『ジーヴズの事件簿―大胆不敵の巻』The casebook of Jeeves


『ジーヴズの事件簿―大胆不敵の巻』The casebook of Jeeves
訳:岩永正勝・小山太一
文春文庫
平成25年1月14日読了
短編集のつもりで読み始めたのですが、どうやら長編でもあるらしい作品集の下巻です。ハッキリと上下を分けていませんが、どこから読んでも良しとする短編集ではないのでご注意を。
本書も面白く読め、次が無いのが残念でなりません。探せば有るのでしょうが無精なものでしてね。
全体として高橋葉介『夢幻紳士』の香りを思い出したのですが、先生お好きじゃありませんか?なんて。
それにしてもジーヴズの主人バーティはますますお人好しであり大丈夫かよと案じられるのですが、まぁ執事がしっかりしてるから…と言い切れるのか?

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