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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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ジャック・ウィンチェスターJackWinchester『スパイよ さらば』TheSolitaryMan


『スパイよ さらば』TheSolitaryMan
訳:池央耿
文春文庫
平成23年1月6日読了
解説を読んで成程と思ったのですが、本書はフリーマントルの別名義による作品です。それも印象としては代表作であるチャーリー・マフィン・シリーズではなく、それ以前の『別れを告げに来た男』の味わいでしょうか。
派手な仕掛けが有る訳でもなく、むしろ主人公と同じく目立たないようにと心掛けているかのように抑えた描写が大人の読書に最適…とでもいうべきかしらん?
終わり方はさすがと言うか…しかし解説で触れていた続編は無いようです。まぁ無い方が良いようにも思えますが。
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ドナルド・E・ウェストレイクDonald E.Westlake『斧』The Ax


『斧』The Ax
訳:木村二郎
文春文庫
平成22年6月29日読了
それなりに面白かったのだが、緊迫感やユーモアに欠ける気もする。勿論コレは個人的な好みなので、同じく読みまれた諸兄の中には僕を悪趣味と思われる方もいらっしゃるでしょうが。
いずれにせよ裏表紙の紹介にあるようにハイスミスやトンプスンと比べるのはどうかしらん?
ハイスミスほど宙ぶらりんな不安感が漂う訳ではなく、トンプスンのように突き抜けてもおらず…と言うところだとおもうのですが(それ以前にトンプスンって何人が判るのよ)?

H.G.ウェルズHerbert George Wells『モロー博士の島 他九篇』


『モロー博士の島 他九篇』
訳:橋本槇矩・鈴木万理
岩波文庫
平成19年10月21日読了
モロー博士により創造された動物人間ですが、描写が浅いので逆に想像の域が広がり非常に鳥肌が立ちました。でもその勢いで映像化するとイメージの固定に繋がり、失敗に至るのではないかと要らぬ心配をしたりして?
ウェルズの作品はガキの頃に「タイムマシン」などを含んだ短編集を読んだのですが、ナニがなんだか判らずに終了。今回は有る意味で再挑戦でした。
結論としては“SF作家”という思い込みが無ければ面白く読めたのにな、と自分の無知が残念でした。実際カバーの紹介文には「SF・怪奇短編集」と有るし。個々にドレが良いとかは省略しますが全体としては「怪奇」に分類される作品の方が面白く読めました。「SF」に当たる作品は“思いつき”で終わっている感じです。当時としては約40年後の新聞が届く…なんてのはそれだけで充分だったのかもしれませんが?
余談。
恥を承知で書き加えると、ウェルズをアメリカの、ヴェルヌをイギリスの作家だと思い込んでいました。前者はオーソン・ウェルズのラジオドラマの所為で、後者は主人公にイギリス人が多かった印象からと思われます。
実際にはウェルズは主として20世紀前半(代表作は19世紀最末年発表)の作家で、ヴェルヌは19世紀後半に活躍していたそうです。その辺りを知った上で読み直したら印象も変るかしらん?

内田百閒『第一阿房列車』


『第一阿房列車』
新潮文庫
平成23年8月15日読了
表紙の写真からして想像出来ようと言うモノですが、とにかく偏屈な爺さんの旅行記で読者としては随行者の災難やらナニヤラを対岸の火事として楽しむばかりです。そういう意味では楽しく読めました。
しかしアレですな、とにかく移動が目的であり到着した先に用は無い…という気分は多いに判りますね。僕自身楽しいのは駅や空港で次の乗り物を待つ時だったりするもの。

陳舜臣『小説マルコ・ポーロ中国冒険譚』


『小説マルコ・ポーロ中国冒険譚』
文春文庫
平成24年6月4日読了
氏の作品の感想を書くと毎回同じようになるのだが、本作も悪い意味で育ちが良い。目の前の場面をもう少し盛り上げて欲しいのに、作者の意識は先に行ってしまっている感じである。
構成や場面転換などは読み手を意識して(そりゃそうだ)くれてるのになぁ。
不満の一つとしてはマルコ・ポーロの扱い。目撃者、傍観者に留めるか、逆に激しく動かして欲しかった。確かに歴史上の人物となると好き勝手にやり過ぎるのは…と思いますが、しかし実在を疑う意見すら有る人物だけに自由にして良かったんじゃないかしら?
最後にもう一つ。ライオンの吠え声ですが、迫力不足ではありますまいか?僕も動物園で聴いたに過ぎませんが、あれは声というより雷鳴で身がすくんで動けない迫力です。
その辺りの描写をくどいくらい書き込んであると…あ、最初に戻っちゃった?

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