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守和の観た読んだ観た

上総屋:飯田守和の感想録ブログです。 (リンク先から徐々に転載もしつつ)アレコレと感想を綴っていきたいと思います。

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結城昌治『風の報酬』


『風の報酬』
角川文庫
平成23年11月7日読了
アレコレと楽しい作品集。冒頭の「六年目の真実」はまさに意外な結末で、ありゃそう来るのかと黒い笑いに包まれました。
うつろな不安定感というか怖くなるのは「十年の後に」と「虚ろな目」なのですが、どちらがより怖いのか…他人事ではあるのですが、妙に身近と言うか。いやどちらも怖いんですが、より安定感に欠ける後者の方が怖いかなぁ。
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結城昌治『噛む女』


『噛む女』
中公文庫
平成24年3月26日読了
やはり、というかさすがというか短編の見本として広く読まれて然るべきに思われます。もっとも僕は小説を書かないのでテキトーな発言ですが。
それはともかく、書き出しから集結まで切れ味が素晴らしい。更に会話のテンポも良い。
人によってはぶっきらぼうに思えるかも知れませんが、その辺りが昭和の大人ってな味わいではありますまいか。
僕の好みは「冷たい炎」「濁り川」「流れる女」。いずれも書き出しでコチラの視線を捉えて離さず、ラストの苦味(というか疲労感)までが過不足なく描かれています。救いが無いっちゃぁ無いんですがね、甘さを求める時には向かないのです。

結城昌治『ひげのある男たち』


『ひげのある男たち』
創元推理文庫
平成24年3月29日読了
いわゆる泥棒髭を生やしつつ頬には無精髭を放置している状態では本書を手にレジに行くのはチョイと…ってなタイトル。まぁ個人的な話はともかく、面白く読み終えました。
著者のデビュー長編とのことですが、なるほど後の作品群を知る者としては若書きに思える舌足らずさが有ります。それでも洒脱で古さを感じさせないのは凄いんですがね(ある小道具にはアッとなりました)。
ちなみに僕も最終章の直前に犯人が判りました…と言ってもカンに過ぎず、探偵役よろしく根拠は出せませんでした。
起訴はおろか逮捕状の請求も出来ませんね。

結城昌治『白昼堂々』


『白昼堂々』
光文社文庫
平成23年11月19日読了
文庫裏表紙にある程に陽気でも軽妙諧ギャクでもなかったし、期待してきたようにスラップスティックではなかった…のも当然か?(過去に映画化されており、キャストを見るとコチラは…と思いますが)
作者にしてはハードではなく、眉間の皺が無い点でシリアスではないというコトなんでしょうね。
太極図のように悪漢にも正論があり、正義の側も少しの違いで追われる立場になっていただろう、というのは変わらぬ作者の味わいでしょう。
今回もまた然りです。

結城昌治『偽名』


『偽名』
新潮文庫
平成23年10月7日読了
どの作品も切れ味が良く短編としてもテンポ良く面白い。いや著者の名前だけで勝っても損は有りません。お勧めです。描写も過不足無くまさに文体としてのハードボイルドとはコレではないか…と言いたいけどハードボイルドと言う言葉の定義に拘りが無いのでその辺りはムニャムニャ。いずれにせよ読後に大人の気分が味わえます。
何篇かは太平洋戦争がポイントになっていますので昭和な感じでしょうが、時代背景がキチンと描かれているので教科書でしか当時を知らない世代でも充分に浸れます。かくいう僕がそうですし。
それにしても女のキャラクターが上手いなぁと。したたかと言うかタフと言うか、とにかくシッカリしています。説得力が有ると言いますかね。うん。

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